高知県が進める「日本一の健康長寿県構想」のひとつに「フレイル※予防」があることをご存知でしょうか。
現在、県内4つの市町村が「フレイルチェック(東京大学高齢社会総合研究機構考案)」を活用した取り組みを予定しており、中でも仁淀川町ではいち早く活動を始めています。
本校作業療法学科の桂先生は仁淀川町の一般介護予防事業「ハツラッツ」に携わる指導員の一人。
定期的に仁淀川町に足を運び、フレイルチェックを通してフレイルの兆候が見られた住民の方に運動指導を行っています。
他にも生活機能の評価を行ったり、対象者の自宅にお伺いして普段の生活を見せていただくこともあります。
畑仕事や家事の様子など日常生活の動作を実際に見ることで、その人に合ったアドバイスが行えます。
▶フレイルサポーター
仁淀川町では作業療法士や歯科衛生士といった専門職から指導を受けるだけでなく、「フレイルサポーター」の養成にも力を入れています。
一定の研修を受けると誰でもフレイルサポーターとして活動することができるこの制度を活用し、住民同士でフレイルチェックを行い同じ地域の住民をサポートしています。
多くの人が気軽に活動に参加する足掛かりにもなるフレイルサポーターは、地域の健康づくりの担い手です。
桂先生は「セラピストが働く場所は病院や施設が大多数。でも、患者さんが自宅に帰った後も健康であり続けるためには何が必要かを考えて支援できるようなセラピストでなければ。地域で住民を支えていくことができる、作業療法士や理学療法士にはそんな活動ができることを多くの人に知ってほしいし、そうした活躍ができるセラピストが増えてほしい。」と話しています。
また、「地域にはそれぞれ特性があり、それぞれ持っている課題が必ずある。それが解決できれば一人ひとりの生活のしやすさに繋がっていくと思う。自治体や行政に提言できる視点があれば地域活性化にもなる。そういった、まちづくりや地域振興に興味がある人にもぜひセラピストの多様な働き方を知ってもらいたい。」と地域の課題解決についての思いも語っていました。
仁淀川町のフレイル予防・フレイルチェックについては、2021年11月28日付け高知新聞(16面)に掲載されました。「優しい社会へ(同15-17面)」を合わせてご覧ください。
※フレイル:要介護の前段階「加齢に伴う身体的・精神的な衰え、社会との繋がりが減少した状態」を指す
https://wp.me/p8ZzAS-1QU