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高知開成専門学校さんと県内初の合同授業を行いました

2021.12.23

12月初旬、土佐リハビリテーションカレッジ(理学療法学科・作業療法学科)と高知開成専門学校(看護学科)が合同授業を実施しました。

この授業は、現場を見据え、多職種間でよりよい連携を図ることを目的としたもので、学校の垣根を越えて複数の学科が連携する高知県内初の試みです。

初めに自己紹介を行い、お互いの学校や学科についての理解を深めた後、グループごとに事例検討を行いました。

▶「認知症の母親が徘徊することに怒る介護者への対応」

▶「ごみ屋敷での生活で脱水による意識障害を引き起こし転倒した対人不信の男性」

といった事例に対し、理学療法士・作業療法士・看護師が1つのチームとなり問題解決の方法を模索します。

医療や職種として考えるだけでは解決が難しい問題に、学生たちは頭を悩ませながら、これまで習った知識や培った経験からアイデアを出し合いました。

グループとしての意見をまとめた後は、大講義室に移動して発表を行い、それぞれについて質疑や補足を行いました。

最後に、各科の代表者から感想と挨拶が述べられました。

JA高知病院 副院長・看護部長で開成専門学校の講師を務める松永さんからは、「看護はチームで仕事をする分、自律、オートノミー※の部分が弱い。理学療法士・作業療法士の学生さんと看護の学生が一緒に学び合うと、このオートノミーが育っていくのではないか」「素晴らしいスペシャリスト、専門職に育っていくと思います。これからも頑張ってください」との言葉をいただきました。

本校の竹林副校長からは、国家試験と卒業を控えた開成専門学校の学生に向けて激励の言葉が贈られました。

その後、各グループ内で挨拶を交わし、開成専門学校さんは本校を後にしました。

 

▶多職種連携授業で得られること

今回の合同授業は理学療法士、作業療法士、看護師、それぞれについて知ることができる貴重な機会。

学生は、取り組んだ事例の複雑さから「社会福祉士の意見も聞きたい」「今まで扱った事例と違って難しい」など、対象者を取り巻く状況に社会的介入の必要性を感じたり、医師やソーシャルワーカーを含めた多職種間の連携、情報や認識を共有する重要性を実感したようです。

看護師、理学療法士、作業療法士といった視点では専門性が強みになる分、解決の手札として専門職としてのスキルで考えがちです。しかし、「まずは環境や社会的背景を含めた『その人』の『人としての幸せ』を考えられるかが重要」と竹林副校長。

また、実際に問題解決にあたる際にチーム医療や多職種連携としてリーダーシップを発揮できるような力を培うためには、その第一歩として他の職種の特徴を知ることも重要になります。

ここに集まった学生たちは、将来、同じ職場で働く可能性もあります。その際にもこの経験がきっと役立つと思われます。

両校では今後もこうした授業に取り組んでいく意向です。

 

この合同授業の様子は、民法3局(RKC高知放送・KUTVテレビ高知・KSS高知さんさんテレビ)のニュースでも取り上げられました。

なお、さんさんテレビのYoutubeでは、放送内容を見ることができます。https://youtu.be/YdDZfY4dfSk

※オートノミー…自主(性)、自律(性)、自立(性)を意味する

 

https://wp.me/p8ZzAS-1QD