作業療法学科の3年生は地域作業療法学の授業で宮本寛先生(南国中央病院リハビリテーション科医師)の講義を受けました。
この日は「LGBTsに対する正確な知識を持ち偏見や差別を無くそう」と、先生が副代表を務める「NPOレインボー高知」よりセクシュアルマイノリティの当事者4名をお迎えしました。
講義には民放テレビ局3社の取材スタッフと、聴講に訪れた4年生の姿も見られ、関心の高さが伺えます。
宮本先生は、性的マイノリティを取り巻く環境や学校教育・医療機関の現場でも理解が乏しい現状を説明。
その人がその人らしくない状態に陥った時、再びその人らしい状態にするのがリハビリテーション。そこに携わるからこそ正しい知識を持って一人でも多くの人に伝えることが大切と述べました。
「心の性別(性自認)や、どの性別に恋愛感情・性的欲求を持つか(性的指向)は自分で選択できない。趣味や娯楽のような嗜好と混同しないこと」
「カミングアウトは信頼しているからこそ。それを裏切るような行為=アウティング※は、命を脅かす危険性がある重大なハラスメント。絶対にしてはいけない」
との言葉に、学生たちは頷いていました。
当事者の方は「カミングアウトせずに隠し続けることは孤独、しんどくなってしまう」「周りが認めてくれることで生きやすくなった」と話しました。
また、医療機関での体験談とともに「ちょっとした一言で患者側は心を閉ざす。信頼関係を失うと治療がスムーズにいかなくなるので、言葉遣いや聞き方を工夫してほしい」と話し、「マイノリティの人間も同じように病気にかかる。医療従事者に話を聞いてもらえるのは嬉しい」と思いを語っていました。
日常生活の中で一番困ったことは何か、との学生の質問には、性別欄の記入や会話の中での偏見を挙げ、仲間内の冗談でも差別的な発言はしないでほしいと訴えました。
学生たちは、性的マイノリティの存在を認識し正しい知識を得るとともに、当事者の生の声を聞くことで、医療における課題と医療職としての在り方を考える機会となりました。
宮本先生、当事者の皆さま、貴重な機会をいただきありがとうございました。
この講義の様子および学生へのインタビューの様子は翌日ニュース番組内で放送されました。
※アウティング:他人に知られたくない個人情報(当事者の性的指向、性自認、性別変更したことなど)を本人の承諾なしに第三者に漏らす行為。
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